長く急な行人坂。江戸時代には交通の要衝であると共に、富士見の名所としても知られていた場所である。また江戸三大大火の一つである、明和の大火の火元になった大円寺があるのもこの坂である。
登るのが大変そうだな、と、帰り道を考えながらどんどん下ると、行人坂西端の太鼓橋にぶつかった。今と様相は変わっているだろうが、歌川広重の江戸名所百景にも描かれているあの太鼓橋だ。
橋が架かっているのは、桜の時期には多くの人で賑わう目黒川。もうすぐ目黒川桜まつりの時期らしく、川沿いには提灯が下がっていた。
川を挟むように桜の木々がずらりと植えられている。これが咲いたらきっと見事だろう。住めば毎日その景色を見ることが出来るのか、羨ましい。
太鼓橋を写しながら渡ると、すぐに今回の目的地であるパークキューブ目黒タワーが鎮座する。地上22階建て。圧倒的な存在感である。
パークキューブ目黒タワー外観
入口付近撮影。左端に移る枝は桜だ。
行人坂の歴史に少し触れたが、目黒の歴史、ということでまず思い出したのは、目黒のさんまの話だった。
無知な殿様を風刺する内容だが、実はこれは落語の噺。事実由来の噺と思われており、今では地元の観光素材にも用いられているようだ。
調べてみると、噺に出てくる「目黒」は、現在よりも広い範囲を指すそうで、特定は難しいとのこと。(演者の言葉選びによっては、馬込や世田谷、麻布、品川といった非常に広い範囲になるそうだ…)
それを歴史として思い出すのはもしかしたら違うかもしれないとも思ったが。地元で愛され祭りにまでなっているのだ。もう立派に目黒の歴史の一つだろう。
パークキューブシリーズを象徴するロゴが玄関近くに貼られていた
季節柄さんまは味わえないが、目でさくらを味わいつつ、建物の中へと歩みを進める。
時間帯のおかげか、訪問時は車通りも少なく、響くのは自分の靴音が主だった。
ガラス張りのエントランスホールから、外の様子が伺える。多くの人が行き交っているのは、桜を見に来たのだろうか?
だが話し声は聞こえない。騒がしいと困りものだが、さすがそこは考えられている。
鍵を受け取り、いざ目的の階へ移動しよう、とエレベータのボタンを押すが、どのボタンを押しても反応がない。押し方の問題か?と強く押してみるが、それでも反応がない。
どうしたものかと暫しエレベータの前で鍵を片手に途方に暮れていると、ボタンの下に見慣れないセンサーのようなものがついている。
……もしかして。
管理人から渡された小さなキーをそこに押し当てれば、エレベータが動き出す。
居住者以外はエレベータも自由に動かせないようになっているのか。
パークキューブ目黒タワーのセキュリティシステムを、身をもって体感した瞬間だった。
建物目の前はすぐ目黒川。たくさんの桜が開花を待ち望んでいる。
充実しているのはセキュリティだけではなく、共用スペースについても同様だ。
2階にはフィットネスルームが備えられており、悪天候でも雨にも濡れずにフィットネス通い、ということも可能である。地下には駐車場・バイク置き場・駐輪場も完備。駐車場は大型車にも対応しているというところがまた嬉しい。
サービスについても忘れてはいけない。
クリーニング取次やタクシー手配なども行ってくれるコンシェルジュサービスや、玄関まで朝刊を配達してくれるサービスもあるそうだ。
「すみずみまで行き届いたホスピタリティ」と公式サイトに謳っているが、確かに、その通りである。
明和の大火は明和9年=「めいわく」の年に起こったが、パークキューブ目黒タワーに住むことは、実に「ぜいたく」なことだろう。
…おあとがよろしいかどうかは、ここまで読んでいただいた皆様の判断に委ねるとしよう。
物件名称 | パークキューブ目黒タワーMAP | 所在地 | 東京都目黒区下目黒2丁目2-2 |
---|---|---|---|
賃料 | 157,000 円~700,000 円 | 交通 | 山手線「目黒」駅徒歩5分 |
間取 | 1R,1LDK,2LDK,1DK,3LDK | 専有面積 | 32.24㎡~145.81㎡ |
構造/階建て | 鉄筋コンクリート造/地上22階地下2階 | 築年月 | 2008/02 |
総戸数 | 194戸 | 管理人 | 常駐 |
駐輪場・バイク置き場 | 設備 | 、 | |
特徴 | 備考 | 一部鉄骨造 | |
特記事項 | 次回更新日 |
エントランスやエレベータには、かざすだけで解錠できるノンタッチキーが採用されている。
実際に使用してみたが、エレベータは、ノンタッチキーがなければ動かなかった。
住人以外の侵入を防ぐシステム。これなら安心だ。
ふらりと遠出したくなる、そんな欲望を、高速入り口まで約1kmという距離が容易にしてくれる。
駐車場は平置き、機械式共に用意されている。
バイク置き場と駐輪場もある。
車で、バイクで、自転車で。
風を切って走ろう。
ガラス張りのエントランスホールは、透明感もさることながら、高さのある天井で、開放感に満ち溢れている。
正面のエントランスホールからは桜並木を見ることができる。桜の季節は素晴らしい景色になることだろう。
目黒駅正面口(約450m/徒歩5分) パークキューブ目黒タワーに向かうには、西口から出るよりも正面口から出た方が信号を渡る手間が減るのでおすすめ。JR山手線、東急目黒線、東京メトロ南北線、都営地下鉄三田線と4つの沿線が乗り入れている目黒駅。
品川駅まで7分、新宿駅まで12分を乗り換えなしでで行くことができ、オフィス街へのアクセスも良好だ。
目黒駅西口、および、アトレ目黒1(約500m/徒歩5分)
まいばすけっと 目黒太鼓橋店(約120m/徒歩2分) 近い上に24時まで開いてるとは…便利な世の中になったものだとしみじみ思う。
大円寺(約280m/徒歩3分)
目黒雅叙園(約220m/徒歩3分)
セブンイレブン(約140m/徒歩2分)
ベッドルームもLDKも、どちらも10畳オーバー。
LDKに至っては24.5畳という間取図を見てから室内に立ち入ったが、実際に目にすると、想像以上の広さに思わず声が出た。
白とダークブラウンが用いられているシックな室内は、見る者に引き締まった印象を与えてくれる。
暗い色が多く使われているが、大きな窓から取り込まれる光のおかげで、暗い印象は全くない。
ただかっこいいだけだ。
ベッドルームの収納には驚かされた。一通り扉を開けてしまった私の気持ちを察してほしい。
キッチンも実に広い。このキッチンなら、2人、3人での調理も楽々だろう。コンロも4口なので、一気にたくさんの料理も作れそうだ。
後片付けは、備え付けてある食器洗い機にお任せ!なんと怠惰な世界。いやいや、いいではないか。
空いた時間で語り合おう。
さすが16階ともなると、眺めが違う。
眼前に障害物は何もない。
地平線がよく見える。
ゆとりのあるバルコニーには、さんさんと光が降り注いでいた。
これなら洗濯物もよく乾きそうだ。
広いだけではなく、キッチンには充実した設備が備え付けられていた。
食器洗い機、浄水器、レンジフードだけでなく、電気オーブン、ディスポーザも設置されている。
既に組み込まれているので、設置スペースを考えなくていいのも嬉しい。料理が好きな人にはたまらないキッチン空間だろう。
記事作成 2017/3/28 石川あゆみ
石川あゆみ
マンションだけでなく、戸建や土地、投資用と、仕事で様々な物件に関わって生活してきました。独特だけれども分かりやすいレポートを心がけています。休日は愛車で遠出をすることが趣味。物件を見ると愛車を停めておく駐車場が気になります。
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