都内の街には、それぞれに特徴がある。江戸時代から現在まで、ずっと日本の中心地として機能してきたため、街はこれまでの歴史を踏まえた個性をもっている。例えば今回訪問する「代官山ハイツ」のある代官山は、都内のなかでも際立った特徴のある街だ。そもそも東急電鉄の代官山駅を出たときから景色が違う。駅の出口は石造りのゲートがあり、緑の多い周囲の様子と相まって、とても上品な雰囲気が漂っている。
高台に位置する代官山は、昔から山の手という位置づけで、富士山の眺めが良い行楽地として知られていた。江戸時代になると、武家や商家がこぞって屋敷を建て、栄えた地域になっていく。戦後になると、その地勢の良さから、諸外国が大使館を建てるようになった。また、歴代の首相を務めた岸伸介や三木武夫も居を構えるなど、特別な街として発展していったのだ。
代官山一帯の大地主だった朝倉家の所有地に建てられたヒルサイドテラス(約650m/徒歩9分)は、集合住宅やオフィス、飲食店などのある複合施設だ。建築家の槇文彦によるもので、建物と建物の間に木々が植栽されているバランスが美しい。
白亜の建築物が並ぶギリシャのミコノス島を彷彿とさせる「sarugaku」(約440m/徒歩6分)。カフェや飲食店、ヘアサロンなどが集まったショッピングストリートだ。
そんな特別感のある代官山の街づくりの方向性に大きな影響を与えたのが、明治時代からの大地主だった朝倉家だ。朝倉家は戦後に住宅地の中に文化施設や商業施設を複合した集合住宅のヒルサイドテラスを建築。これは1967年から1998年までの長い期間をかけて段階的に建築された。つまり時代によって求められるものに対応した建築をじっくりと行ってきたのだ。建築家・槇文彦氏によって設計されたヒルサイドテラスは、モダンな雰囲気がある白い外壁が印象的。そして、朝倉家にあったという木々を取り込んで一体となった景観がとても美しい。建物と建物との間に木々を植栽しており、そのバランスが絶妙だ。
代官山に建つ建造物は、多かれ少なかれ、このヒルサイドテラスに影響を受けているといわれている。例えば、ヒルサイドテラスのすぐ側に建つ「sarugaku」だ。ギリシャのミコノス島のような白亜の建物が並ぶも優雅な佇まいのショッピングストリートで、植栽を活かしたバランスの良い空間となっている。
代官山ハイツのエントランスは緑があふれ、外国の高級住宅を思わせる。代官山らしいお洒落なデザインとなっている。
今回訪れた代官山ハイツもモダンなデザインで植栽を上手く使った上質感がある。エントランスには、海外の建物のような瀟洒なデザインのゲートがあり、よく磨かれた石の上にオートロックの機器が設置されている。ドアを解錠すると、目の前には庭園が広がっていた。このマンションはA棟とB棟のふたつの建物によって構成されており、その建物の間に緑豊かな植栽が施されている。これはマンションというよりは、庭付きの邸宅に訪れたような感覚。その美しさには思わずため息が漏れた。これは代官山がヒルサイドテラスを通じて形作ってきた街づくりの流れに沿って、さらに上質感を高めているように見える。
ゆったりとした敷地内は、セキュリティが十分に考慮されていて、オートロックに加え、防犯カメラも各所に設置されている。そしてマンション内に入るときには管理人室があり、しっかりチェックしてくれる。何か困りごとがあったときには相談に乗ってくれるので安心だ。
もちろん共用設備も便利に利用することができる。留守がちな人に嬉しい宅配ボックスを備えているため、いつでも手軽に荷物を受け取ることができる。そしてダイヤル錠付きの集合ポスト、屋根付きの駐輪場もある。荷物を別の場所に保管しておきたい人のためにトランクルームが用意されているのも嬉しい。
石づくりの壁に描かれた代官山ハイツの館銘板は上質な雰囲気。
利便性という部分でも代官山ハイツは優れている。スーパーとコンビニが徒歩圏内にあり、気軽に日用品や食材を買うことができる。もちろん、お洒落なカフェ、レストラン、ファッションショップも近くにあり、暮らしに彩りを与えてくれる店が集まっている。そして、大使館が多い環境も考慮され、管理人は英語対応が可能だ。様々な部分で代官山という街に対応しているといえる。屋敷が立ち並んでいた江戸時代から山の手の特別な場所だった代官山。ヒルサイドテラスが建てられ、より上質な街づくりがなされていった系譜を受け継いだ代官山ハイツなら、洗練されたデザインとともに植栽と一体となった彩りある暮らしを存分に味わうことができるだろう。
物件名称 | 代官山ハイツMAP | 所在地 | 東京都渋谷区代官山町11-1 |
---|---|---|---|
賃料 | --- 円 | 交通 | 東急東横線「代官山」駅徒歩5分 |
間取 | 1R,1LDK | 専有面積 | --- |
構造/階建て | 鉄筋コンクリート造/地上10階 | 築年月 | 1999/03 |
総戸数 | 72戸 | 管理人 | 常駐 |
駐輪場・バイク置き場 | 設備 | 、 | |
特徴 | 備考 | ||
特記事項 | 次回更新日 |
内部に入ると2棟のマンション間を贅沢に使った中庭がある。石づくりの敷地には植栽が施されており、そこだけが別空間となっている。明るい陽光が差し込む美しい中庭で、天気の良い休日にゆっくりと散歩するのは心地良いだろう。
建物内に入るとソファが置かれたラウンジがあり、ゆったりとくつろぐことができる。また、不在時でも荷物の受け取りが可能な宅配ボックスやダイヤル錠付きの集合ポストは重宝する。屋根付きの駐輪場も設置されている。
上質な石の上に置かれたオートロックは、前に立つとカメラが作動するタイプを採用。そこを抜けて建物内に入ったところには日中は常駐している管理人室がある。機械と人で二重チェックを行っているので安心感できる。また中庭や建物内には防犯カメラが設置されている。
タワーマンションと20を超える商業施設が入っている「ディセ」や渋谷区代官山スポーツプラザが入っている複合施設の代官山アドレス(約300m/徒歩4分)。駅前にあるため、代官山のシンボルとなっている施設だ。
駅前にはハックドラッグ代官山ディセ店(約390m/徒歩5分)があり、体調を崩したときの薬やサプリメントなどを購入できる。
代官山という土地柄に合ったお洒落なデザインのセブンイレブン(約110m/徒歩2分)。
東急電鉄の代官山駅(約400m/徒歩5分)は、石造りのゲートと周りの植栽が上質な雰囲気を醸し出している。
マンション前の道沿いにあるアースカフェ(約35m/徒歩1分)は、オーガニックな素材を利用したコーヒーや食事を味わえる。モデルなどもよく訪れるという有名店。天気の良い日はウッドデッキテラスでくつろぐのが心地良い。
代官山ピーコック(約390m/徒歩5分)が駅前にあるため、会社帰りなどに生鮮品を買うことも可能だ。
記事作成 2017/10/23 清水学
清水 学
飲み歩きとジョギングにはまって約10年。静かで楽しく過ごせる環境や、ゆったりくつろげる部屋があるなら引越しも考え中です。自分の今後のことも念頭にしっかりとレポートしていきます。
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