桜の開花予想が飛び交う中、住友不動産さんのご協力で東京メトロ南北線六本木一丁目に隣接する高級タワーマンション「泉ガーデンレジデンス」の内見取材の機会をいただいた。今日の取材はいつもと違う。一言でいうなれば「温故知新」。最新のマンション事情を知るためにはそのルーツを辿る必要がある。そんな思いで襟を正して取材に挑んだ。
「泉」の名を冠したレジデンスにふさわしい風格
その名はコンシェルジュサービスにも受け継がれている
なぜ泉ガーデンレジデンスがルーツなのか。知る人ぞ知る。この「泉」こそ、住友グループにとっては葵(あおい)の紋なのだ。古くは室町時代に起源を持つ住友財閥は江戸時代初期から銅の採掘で財を成す。その際、屋号「泉屋」を用い、以降、この屋号は住友事業の代名詞となってきた。終戦と同時に財閥が解体された後も、住友グループ各社は結束を固め、戦後の日本を牽引する原動力となったことは周知のとおりである。しかしながら、旧財閥の面影を色濃く残す「泉屋」の屋号が用いられる機会はなく、長い時がたつ。そして1988年、住友不動産が六本木一丁目周辺再開発の陣頭指揮を執るに当たり、プロジェクトの中核にあたるオフィスビルおよびレジデンスの名称に「泉」の文字を据えることを決めた。再開発の発起から十余年、晴れて「泉ガーデン」が誕生し、文字通り「泉」が人々を再び潤すことになる。これが、涙なくしては語れない、泉ガーデンレジデンスの物語である。僕のような住友には縁もゆかりもない者でさえ、この事実を知ってから泉ガーデンレジデンスを見る想いが変わってきた。
住友家が収集した美術品を展示する泉屋博古館分室(泉ガーデン敷地内)
いい加減なことを言うと住友不動産関係の皆様にお叱りをいただくことになるかもしれないが、泉ガーデンレジデンスこそ住友不動産が世に放った高級賃貸マンション事業の挑戦であり、その意の表れが「泉」の文字にあると僕は妄想している。(悪いことは言っていないから許してもらいたい。)いや、あながち見当違いの妄想でもないかもしれない。それは泉ガーデンレジデンスのメンテナンスにヒントがありそうだ。泉ガーデンレジデンスは15年前のマンションにもかかわらず、現行の住友不動産高級賃貸マンション「ラ・トゥール」シリーズの中心的な存在で、後発のシリーズ新築物件に新しい技術や設備、サービスが導入されると同時に、泉ガーデンレジデンスにも同等の取り組みがなされることが多い。事実、今回の取材においてもコンシェルジュサービスや空調やセキュリティなどの住戸のファシリティは常に最新のものをそろえている印象を覚えた。築後15年経過した今も泉ガーデンレジデンスは住友不動産のフラッグシップモデルとして機能しているのではないだろうか。
泉ガーデンは人々を潤す憩いの場になっている
立地、住環境、制震構造を採用した躯体、外観、コンシェルジュサービス、内装や機能的なファシリティ、いずれをとってもかつての住友の屋号にふさわしいハイグレードレジデンスであることは間違いない。
物件名称 | 泉ガーデンレジデンスMAP | 所在地 | 東京都港区六本木1丁目5-3 |
---|---|---|---|
賃料 | 340,000 円~1,190,000 円 | 交通 | 東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅徒歩1分 |
間取 | 3LDK,2LDK,1LDK,1K,4LDK,1R | 専有面積 | 46.7㎡~173.1㎡ |
構造/階建て | 鉄骨鉄筋コンクリート造/地上32階地下2階 | 築年月 | 2002/07 |
総戸数 | 217戸 | 管理人 | |
駐輪場・バイク置き場 | 設備 | 、 | |
特徴 | 備考 | ||
特記事項 | 次回更新日 |
日本屈指の商業拠点「六本木」の住所を持ちながら、信じられないほどの閑静の中で暮らす幸せ。各国の大使館が軒を連ねる東京の中心の地に「庭園(ガーデン)」と名づけられたハイグレードマンションは、その名に負けることのない上品で清らかな生活を保証してくれるに違いない。
竣工から15年たった今もなお、「ラ・トゥール」の名を持たない泉ガーデンレジデンスが、シリーズの中心的存在であり続ける理由は、このマンションが住友不動産の賃貸マンション事業のマイルストーンだからなのかもしれない。当時の新鋭を進化させ、今日までフラッグシップであり続けなければならない理由がある。
泉ガーデンタワー(100m/1分)
泉ガーデンレジデンスに隣接するオフィス棟。竣工はレジデンス同様2002年。住友不動産系列のビジネスホテル「ヴィラフォンテーヌ」が営業するほか、上層階には外資系の法律事務所や投資銀行、証券会社など、ワールドワイドな企業が多数テナントとして入居している。
飲食店もバラエティに富んで、ビジネスの拠点だけではなく観光スポットとしても人気が高い。
東京メトロ南北線六本木一丁目駅(200m/徒歩2分)
スペイン大使館(5m/徒歩1分)やスウェーデン大使館(100m/徒歩2分)をはじめ各国の大使館が近隣に散在する。
カラヤン広場からサントリーホールを望む(100m/徒歩1分)
桜の季節に訪れたいスペイン坂(隣接)
ANAインターコンチネンタルTOKYO(200m/徒歩2分)
記事作成 2017/3/22 佐々木直樹
佐々木直樹
田舎の生まれですが、東京で暮らすようになって20年が過ぎました。先日、インターネットで「そばを打ちたくなったら、おじさんだ。」という記事を見つけて、なんともいえない焦燥感を覚えました。タワーレジデンスが大好物、鋭い視点で不動産を斬ります!
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