今回取材をする物件は、東京の沿岸部を埋め立てて出来た島に建つ「芝浦アイランドグローヴタワー」だ。島にそびえ立つ高層マンションである。海沿いの田舎町で育った私が、いつかは暮らしたいと願っていた海のそばの物件だ。芝浦アイランドの高層マンションと聞くと、トレンディドラマの主人公の暮らしぶりをイメージするが、実際の物件、そして生活はどのようなものなのだろうか。心躍らせながら、JR田町駅を後にした。物件に近づいていくと、一目でそれとわかる建物が見えてきた。芝浦アイランドの入り口にそびえる、ブラウンの色調のタワーマンションだ。
芝浦アイランドタワー モノレールの沿線すぐそば 近未来を連想させる
芝浦アイランドに立つ芝浦アイランドグローブタワー(左の建物) 右側に立つ兄弟物件の芝浦アイランドエアータワーも2006年の再開発で建設された
芝浦アイランドグローヴタワーが出来るまでの歴史を紐解いてみる。芝浦アイランドは、四方を運河によって囲まれた島状の地域だ。明治に行われた「隅田川口改良計画」による埋立造成に端を発し、埋め立てが盛んに行われ、都心ではなかなか手に入らない大きな区画の土地を利用して、1970年代になると新三井製糖の工場や都電の車両工場などが次々に建てられた。2000年代に入ると、付近の汐留や品川などの埋め立て地と同様に、都心でのマンションニーズの受け皿として、「芝浦」は宅地として再び脚光を浴び、都市基盤整備公団(現・都市再生機構)と三井不動産を中心とした官公民の連携で再開発プロジェクトが始動し、2006年に新三井製糖工場などの跡地に高さ160m級の「グローヴタワー」が建設された。大きなマンションが出来たことで、島の人口は飛躍的に増えた。現在は若い夫婦を中心とした6700以上の核家族世帯が主に暮らしている。もともとは海だった場所に人工的に島を作り、それが見事に繫栄し、我が家としてそこに住み、暮らしを育む人々を生んだことは、実に興味深いことだ。歴史を紐解くと、人間の英知や生命力の強さが見えてくる。
「プラタナス公園」(約10m/徒歩1分) 島に暮らす人たちの憩いの場
タワーマンションが建設されてから10年が経ち、目下、ここの住民が目指しているのは、その立地を生かした「水と緑の計画」だ。公園や運河沿いの遊歩道や、水と緑を身近に感じられるパブリックスペースなど、リゾートのようにくつろげる環境作りを進めている。また、様々な年齢層の住民が安心して暮らせる島にするため、幼稚園、保育園一体化施設などの生活利便施設を充実させている。地域交流にも力をいれているようで、私が訪れた時には、住民が率先して地域交流に参加できるようお花見の会を呼びかけるチラシ配りが行われていた。
「芝浦アイランド子供園 児童高齢者交流プラザ」(約50m/徒歩1分) 少子高齢化時代を迎えてアイランドの未来を考える場に
島のどこへ行っても、風は終始潮の香りを運んできてくれる。この潮風を嗅ぐだけでとても幸せな気分になれた。そして海のそばで暮らしていた幼い記憶が蘇ってきた。父親と釣りに行った秋の早朝の思い出、姉とカニ獲りをした夏の記憶などを次々に呼び覚ましてくれた。そんな「しょっぱい」記憶の中、「そういえば、もともとここには製糖工場が建っていたんだよな」と、独り言を呟いていた。島建設から製糖工場へ、そして居住地へと姿を変え、今に至る芝浦アイランド。様々な歴史の上に建つこの「芝浦アイランド グローヴタワー」は、住む人に甘い夢を見せてくれるに違いない。
物件名称 | 芝浦アイランド グローヴタワーMAP | 所在地 | 東京都港区芝浦4丁目21番1号 |
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賃料 | --- 円 | 交通 | 山手線「田町」駅徒歩8分 |
間取 | 3LDK,1LDK,2LDK,1SLDK | 専有面積 | --- |
構造/階建て | 鉄筋コンクリート造/地上49階地下1階 | 築年月 | 2007/03 |
総戸数 | 833戸 | 管理人 | 常駐 |
駐輪場・バイク置き場 | 設備 | 、 | |
特徴 | 備考 | ||
特記事項 | 次回更新日 |
田町駅・品川駅までタクシーで2分。首都高速芝浦インターチェンジまで車で1分。またお隣の浜松駅からモノレールに乗って13分で羽田空港にアクセスできる。JR山手線「田町駅」まで徒歩8分、JR京浜東北線田町駅まで徒歩8分、地下鉄三田線・浅草線「三田駅」まで徒歩10分の距離で、4沿線を使えるのはありがたい。また、クルージング船「Urban Launch」でお台場まで行くことが出来る。陸海空のアクセスに便利だ。
ダブルチューブ耐震構造を採用している。この構造は柱と梁を、建物の外周部と中央部にチューブ状に配置している。ダブルチューブ構造により、それぞれの部屋から柱や梁の出っ張りを少なくし、部屋をスッキリ。建物を支える高強度鉄筋や厚さ350mm(通常200mm程度)のボイドスラブなどを組み合わているのが特徴だ。
共有スペースが洒落ていて品がある。ロビーに続く読書スペースと中庭にある巨大な時計は暮らしにゆとりを感じさせてくれる。ラウンジを抜けると、ライブラリーがあり、読書好きにはたまらない空間だ。ライブラリーの奥に進むと、キッズルームとフィットネススペースがあり、マンション内で家族の楽しい時間を過ごしてもらうための工夫がされている。屋内から駐車場の車を呼び出し、雨の日など苦労なく出庫させられる仕組みもありがたい。随所に嬉しい設備が施されている。
大型食品店のPeacock芝浦アイランド店(約50m/徒歩2分)があり、食料品を買い求めるにはとても便利。店舗内にはケンタッキー・フライド・チキンもあり、一休みもできる。
みずほ銀行とサンクスが隣り合わせている。(約200m/徒歩3分)
とようら小児科 子供が熱を出した時などにはありがたい(約150m/徒歩2分)
セブンイレブンとDOUTORがある。(約200m/徒歩3分)
郵便局(芝浦アイランド)と三井住友銀行が併設(約200m/徒歩3分)
芝浦小学校(約300m/徒歩4分)側面のデザインが独特
記事作成 2017/4/4 岡田和彦