今回取材に訪れたのは、中野区中野3丁目に建つALERO(アレーロ)中野。この中野3丁目は、徳川将軍家と縁のあるエリアだ。
「生類憐みの令」を発した5代将軍綱吉は、各所に犬を保護するための施設を設けた。中野3丁目を含む現在の中野駅周辺でも、何万頭もの犬が養育されていたという。その後、鷹狩りに中野を訪れた8代将軍の吉宗は、ある場所をいたく気に入り、桃の木を植えさせるよう命じた。その場所というのが今の中野3丁目一帯である。桃の花が咲き誇る「桃園」は、江戸の人々の行楽地として人気を集めたそうだ。現在でも、学校や橋の名前に桃園の文字が残っている。
ALERO中野のエントランス。
入り口はやや奥まったところにある。
ALERO中野は4階建ての低層マンションだ。総戸数は19戸。青空をくっきり切り取るような直線的なフォルムだが、どことなく温かみを感じるのは、外壁が木目調だからだろうか。エントランスに足を踏み入れると、温かな印象はより強くなる。天井と扉に、明るい色の木材が使われているためだ。レンガ調の石畳もいい味を出している。
もちろん、力が注がれているのは外観ばかりではない。都合に合わせて荷物を受け取れる宅配ボックス、24時間利用可能なゴミ置き場といった、都会の暮らしに便利な設備も整っている。
木目調の壁に映える、シンプルな館銘板。
中野という街もまた魅力的である。駅前の中野サンモール商店街、サブカルチャーの聖地・中野ブロードウェイ、公園に面する複合施設の中野セントラルパークなど、外出スポットは枚挙にいとまがない。日常生活から休日のレジャーまで満喫することができる。
……などと知った風に書いているが、実を言うと、私が中野に足を運んだのはこの取材の日が初めてだった。サブカルの街というイメージが強く、何となく近づき損ねたままだったのだ。しかし実際に歩いてみると、実に多彩な施設が集まり、サブカルにそれほど親しみがなくても十分楽しめそうな街だった。住みたい街ランキングに名を連ねるのも納得である。
最寄りは中野駅。JR中央線と東京メトロ東西線が利用可能。
取材を終えてALERO中野を出た私は、改めてあたりを見回した。この静かな住宅地に、江戸時代は桃の花が咲き乱れていたのか――そう思ったとき、桃のイメージに誘われるようにしてひとつの言葉が降ってきた。「桃源郷」だ。中国の物語「桃花源記」に描かれている、桃の林に迷い込んだ先にあったという理想郷である。もしかしたら、かつての桃の園は、私を現代の桃源郷に導いてくれたのかもしれない。そんな空想にふけりながら、ALERO中野を見上げた私だった。
物件名称 | ALERO中野MAP | 所在地 | 東京都中野区中野3丁目43-7 |
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賃料 | --- 円 | 交通 | 総武・中央緩行線「中野」駅徒歩7分 |
間取 | 1R,1LDK,1DK | 専有面積 | --- |
構造/階建て | 鉄筋コンクリート造/地上4階 | 築年月 | 2017/08 |
総戸数 | 19戸 | 管理人 | |
駐輪場・バイク置き場 | 設備 | 、 | |
特徴 | 備考 | ||
特記事項 | 次回更新日 |
宅配ボックスが備え付けられ、留守がちでも荷物を受け取りやすい。敷地内に設けられたゴミ置き場は24時間利用可能。忙しい毎日に嬉しい設備だ。また、エントランスにはオートロックが設置され、住人の安全を守っている。
外壁やアプローチには、木目調のコンクリート、ガラス、木材、レンガ風の石畳といった多彩な素材が用いられている。スタイリッシュさと温かみを兼ね備えたデザインは、日々の暮らしに安らぎを与えてくれそうだ。
マンションの最寄り駅・JR中野駅の駅前からは、中野サンモール商店街が延びている。約200mにわたり、100を超える店舗が軒を連ねるアーケード商店街だ。飲食店や食料品店、ブティックなどが立ち並び、活気にあふれている。
中野ブロードウェイ(約1000m/徒歩13分)。サブカルチャーの聖地として知られる複合ビル。アニメや漫画、フィギュア、トレーディングカードなどを扱う店がそろう。しかし、全体がサブカルチャー一色ではなく、ブティックや飲食店・食料品店、病院なども軒を連ねる。こうした施設が混在する独特な雰囲気が、不思議な魅力を放っている。
中野マルイ(約550m/徒歩7分)。アパレルショップや雑貨店、飲食店などが入っている。地下1階のスーパーマーケットは23時まで営業しており、帰りが遅くなったときも買い物ができて便利。
新渡戸記念中野総合病院(約650m/徒歩9分)。新渡戸稲造(にとべいなぞう)らによって、1932年に創立された病院。東京都の二次救急医療機関に指定されているため、万一のときも心強い。
4つの劇場が集まった小さな劇場街、ポケットスクエア(約140m/徒歩2分)。写真は一番初めにオープンした劇場、ザ・ポケット。
中野区役所(約700m/徒歩9分)。一部の手続きや税の納付などについては、受付時間の延長と日曜の窓口開設を行っている。平日の昼間に時間を取りにくい場合も安心だ。
中野郵便局(約600m/徒歩8分)。ゆうゆう窓口は土日を含めて24時間営業しており、忙しい毎日にありがたい。
記事作成 2018/2/8 高橋千尋