東京に最初に敷設された地下鉄といえば「銀座線」である。それでは、2番目に古い地下鉄をご存じだろうか。答えは銀座線から遅れること20年、戦後の着工となった「丸の内線」である。東京メトロ銀座線と丸の内線、この2沿線が交わる駅が「赤坂見附」である。その後、赤坂見附駅は永田町駅と改札内で連絡することになり、先の2沿線に加え有楽町線、半蔵門線、南北線の合計5沿線が乗り入れる都内最大級のハブ駅に成長した。田舎育ちの僕も上京したてのころは、例に漏れることなく迷路のような東京地下鉄ネットワークに翻弄される毎日を送っていたが、この赤坂見附の乗り換えを攻略したころから、何となく東京人の仲間入りをしたような気になったものだ。今回は三井不動産グループのレジデントファーストさんのご厚意で、その赤坂見附にある「パークアクシス赤坂見附」を取材させていただくこととなった。
気品ある石造りのエントランスは剛健そのもの
賑やかな赤坂商店街は「エスプラナード」「みすじ通」「赤坂一ツ木通」「赤坂通」「赤坂第一」の5つからなる
今でこそ、言わずと知れた「呑べえ」の町、赤坂であるが、地下鉄が敷設される前はどのような町並みだったのだろう。その歴史を探る面白い掲示板を見つけた。赤坂見附交差点の歩道わきにぽつんと立つ「赤坂地区旧町名由来板」によると、江戸時代の初期ごろまで、このあたり一帯は「赤坂田町」と呼ばれ湿原を開拓した田畑が広がっていたそうだ。隣駅の「溜池山王」に名残りがあるように、昔は池や沼が多く地盤のゆるい建物には不向きな土地だったのだ。なるほど、江戸城の外堀は赤坂の湿地を利用したものなのだろう。ん?待てよ。数百年が経過したとは言え、かつての湿地に建てられたとなると、レジデントファーストさんには大変申し訳ないが、今回の取材の対象「パークアクシス赤坂見附」が建つ地盤に不安が残る。いかなる結果になろうとも僕の正義を貫く信念がだまっちゃいない。ということで「パークアクシス赤坂見附」の構造を調べてみた。
赤坂見附交差点に立てられた「赤坂地区旧町名由来板」によると、江戸初期までこのあたり一帯は湿地だった
結論からお話ししよう。「さすが三井不動産」である。僕のような若輩者の心配など、とうにお見通しである。2011年の東日本大震災では、都心湾岸部のマンションが液状化現象の被害を受けた。「パークアクシス赤坂見附」は震災直後に計画がすすめられ、地盤と建物構造の検証が繰り返し行われた。その結果、「杭基礎」という構造にたどり着く。軟弱な地表面層よりずっと深くにコンクリート杭をうち、「支持層」と呼ばれるしっかりした地盤から建物基礎を築く手法である。実はこの杭基礎、三井不動産グループのお家芸であり、同社の賃貸レジデンスブランドのパークアクシスシリーズにも積極的に用いられている。さらにはこの「パークアクシス赤坂見附」、この杭基礎の上に「ダブル配筋」(壁面の鉄筋を格子状や箱状に組み上げる工程)による鉄筋コンクリートで躯体を造り、強度と耐久性を実現している。
軟弱な表面層より深く支持層に杭を打つ「杭基礎」と地震に強い「ダブル配筋」の仕組み(パークアクシスオフィシャルサイトより引用)
東京地下鉄のハブとなり成長を続ける一等地ではありながら、太古の歴史を知るほどに地盤に不安が残る「赤坂」。その地で、三井不動産グループがこれまで培ってきた耐震に対する技術が躍如とするレジデンス物件こそが「パークアクシス赤坂見附」なのだ。
物件名称 | パークアクシス赤坂見附MAP | 所在地 | 東京都港区赤坂3丁目10-12 |
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賃料 | 128,000 円~254,000 円 | 交通 | 東京メトロ丸ノ内線「赤坂見附」駅徒歩3分 |
間取 | 1R,1LDK | 専有面積 | 24.63㎡~50.3㎡ |
構造/階建て | 鉄筋コンクリート造/地上13階 | 築年月 | 2015/01 |
総戸数 | 91戸 | 管理人 | |
駐輪場・バイク置き場 | 設備 | 、 | |
特徴 | エントランス静脈認証 停止階制限エレベーター |
備考 | |
特記事項 | 次回更新日 |
地下鉄のハブ駅「赤坂見附」をはじめとして永田町駅、赤坂駅の3駅を徒歩圏内に置く好立地。主な所要時間は次の通り。(「パークアクシス赤坂見附」から各駅までの徒歩時間を含む)
東京駅まで14分(東京メトロ丸の内線)
渋谷駅まで14分(東京メトロ銀座線)
新宿駅まで14分(東京メトロ丸の内線)
「パークアクシス赤坂見附」の利便性は電車の利用だけではない。ターンテーブルを備えた機械式駐車場には合計9台の自動車を置くことができる。さらには生活に必要なものが凝縮された赤坂の街を行くには自転車もなかなかのものである。59台の自転車を維持できる自転車置き場はうれしい。
赤坂サカス(250m/徒歩3分)
「パークアクシス赤坂見附」と同じ三井不動産グループによる開発を経て、2008年にグランドオープン。敷地内にはTBS本社のほか飲食店や雑貨店などが並ぶ。写真は、その名の通り満開の桜が咲き乱れる赤坂サカスからTBS本社を望む。春の訪れを感じるこの日も多くの観光客でにぎわっていた。
日枝神社(約130m/徒歩2分)江戸城の鎮守としてこの地の象徴となってきた。
紀尾井タワー(約400m/徒歩5分) 写真正面。赤坂プリンス跡地に建造された多目的施設。ヤフー株式会社などの企業が入居する。
東京メトロ赤坂駅1番出口(約300m/徒歩4分)赤坂Bizタワー直結
東京メトロ赤坂見附駅・駅ビル「ベルビー」(約250m/徒歩3分)東京メトロ銀座線・丸の内線が乗り入れるほか永田町駅とも接続している
東急プラザ赤坂(約240m/徒歩3分)写真左。飲食・ファッションなどの小売店が並ぶ商業施設。上層階には東急エクセルホテルがある
記事作成 2017/4/4 佐々木直樹
佐々木直樹
田舎の生まれですが、東京で暮らすようになって20年が過ぎました。先日、インターネットで「そばを打ちたくなったら、おじさんだ。」という記事を見つけて、なんともいえない焦燥感を覚えました。タワーレジデンスが大好物、鋭い視点で不動産を斬ります!
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