古典の名作、源氏物語。長大な物語の中でも一、二を争う有名な場面が、光源氏が後の妻となる紫の上を見初めるくだりだ。国語の授業でも取り上げられるので、覚えている方も多いだろう。
光源氏は病気療養のために訪れた北山で、近くの家に女性や子供たちが住んでいると聞いて興味を持ち、従者とともに足を運ぶ。そして、ふたりで垣根の隙間から覗き見するのだ。この「垣間見」という行為、当時の慣習とはいえ、男ふたりが熱心に垣根を覗き込んでいる様子を想像するとシュールである。それはともかくとして、光源氏が覗いた先にいたのが紫の上だったのだ。この場面の彼女は10歳ほど。服装は次のように描写されている。
――山吹などの萎えたる着て
「山吹」とは着物の襲(かさね)の配色のひとつで、朽葉色(赤みを帯びた黄色)と黄色の2色の組み合わせだ。文字で表現されているだけなので想像を膨らませるしかないが、それこそ山吹の花のように華やかな色合いだったのではないだろうか。山吹色、つまり黄金色の衣に身を包んでの初登場は、後に光源氏の寵愛を受ける紫の上の栄華を予感させるようだ。
山吹は晩春に鮮やかな黄色の花を咲かせる。
エントランスに続くアプローチ。石畳を草木の緑が彩る。
好きな作品なのでつい熱く語ってしまったが、今回紹介するマンションを見れば、この前置きの意味がお分かりいただけるだろう。マンション名はプレミスト新宿山吹。その名の通り、新宿区山吹町に建つマンションだ。
最寄りである有楽町線の江戸川橋駅までは、徒歩2分という好立地。さらに、東西線の神楽坂駅も利用可能だ。この立地、以前神楽坂に勤めていた私としては、グルメな方にぜひおすすめしたい。この江戸川橋から神楽坂にかけての一帯には、美味しい飲食店が本当に多いのだ。個人的にはスイーツの店によく行っていたが、もちろんそれ以外にも和洋中、エスニックなど数々の店が軒を連ねる。毎日何を食べようか迷ってしまいそうなほどだ。
広々としたエントランス。オブジェが配置され、美術館のような雰囲気。
立ち並ぶ飲食店に目移りしつつ現地に着くと、白く清潔感のあるマンションが目に飛び込んできた。その建物を、多種多様な植物が彩っている。私が取材したのは1月下旬、2日前に降った大雪が残る寒い日だったが、冷たい空気の中で緑が鮮やかだった。
エントランスへと続く石造りのアプローチは、緩やかに曲がっている。周囲に植えられた草木のおかげもあって、入り口を「垣間見」るのが難しそうな構造だ。建物に出入りするところが道から見えないのは、平安時代ならずとも、プライバシーの面で安心できる。
オートロックに加え、管理人の窓口と防犯カメラが設置され、セキュリティへの気配りが感じられる。
アプローチを抜け、大きなガラスの扉をくぐって建物内に入ると、オートロックと管理人の窓口が設置されている。さらに、天井には防犯カメラもあり、住人の安全への配慮を感じた。ちなみに防犯カメラは他にも敷地内の各所に設置され、暮らしに安心感を与えてくれる。共用設備としては、荷物をスムーズに受け取れる宅配ボックスが用意されている。忙しい毎日に嬉しい存在だ。
立地にデザイン、そして各種設備。三拍子そろったプレミスト新宿山吹に住めば、たとえば紫の上が手にしたような、山吹色に輝く日々が訪れそうな気がした。
物件名称 | プレミスト新宿山吹MAP | 所在地 | 東京都新宿区山吹町365-1 |
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賃料 | --- 円 | 交通 | 東京メトロ有楽町線「江戸川橋」駅徒歩2分 |
間取 | 1R,2LDK,1LDK | 専有面積 | --- |
構造/階建て | 鉄筋コンクリート造/地上13階 | 築年月 | 2017/06 |
総戸数 | 78戸 | 管理人 | |
駐輪場・バイク置き場 | 設備 | 、 | |
特徴 | 備考 | ||
特記事項 | 次回更新日 |
マンションを囲むように草木が植えられ、暮らしに潤いを与えてくれる。植えられている植物は高木のモチノキ、サツキやアセビといった低木、常緑多年草のリュウノヒゲなどさまざまだ。外からの視線をさりげなく遮ってくれるのも嬉しい。
徒歩10分圏内に、有楽町線の江戸川橋駅と東西線の神楽坂駅がある。池袋や飯田橋、大手町といった駅に乗り換えなしで行くことができ、都内をスムーズに移動できる。また、近隣を都営バスの白61系統が走っており、新宿方面に行くのに便利。
江戸川橋・神楽坂エリアには、飲食店が数多く存在する。シェフが目の前で作るデザートを味わえる「アトリエコータ」、クリームパンが名物の「亀井堂」、古民家を利用した居酒屋「神楽坂 カド」など、魅力的な店がたくさん。どこへ行こうか迷ってしまいそうなほどだ。
la kagu(約850m/徒歩11分)。神楽坂駅の目の前に建つ商業施設。新潮社の書庫だった建物をリノベーションし、2014年にオープンした。ショップやカフェが入っているほか、本にまつわるイベントやトークイベントなども開催される。
コモディイイダ江戸川橋店(約140m/徒歩2分)。江戸川橋駅直結のスーパー。23時まで営業しており、帰りが遅くなったときにも買い物ができる。
地蔵通り商店街(約200m/徒歩3分)。飲食店や食料品店などが軒を連ねる。
赤城神社(約900m/徒歩12分)。山吹町を含む周辺一帯の鎮守。境内には「あかぎカフェ」というカフェがあり、食事やお茶を楽しめる。
マンションの近隣を神田川が流れており、春には神田川桜並木(約350m/徒歩5分)の桜を見ることができる。
矢来能楽堂(約850m/徒歩11分)。能・狂言の公演や稽古を行う。登録有形文化財に指定されている。
記事作成 2018/1/24 高橋千尋