唐突ではあるが、僕は門前町が好きだ。学生の頃、バックパックを背負ってチベットを旅したことがある。富士山の山頂にも匹敵する標高3,656メートル、草木もろくに生えない場所にチベット仏教の都ラサはある。信仰心を原動力に聖地を目指し旅を続けるチベット巡礼者たち。彼らを迎えるラサの門前町は活気で溢れかえり、旅行者の僕でさえ、その賑わいに心癒されたものだ。
世界を見ずとも、日本にもこうして栄えた門前町は数多くある。伊勢神宮の宇治と山田、出雲大社の杵築など、有力な寺社の周りには必ずといっていいほど門前町が形成されてきた。僕と同じように門前町の賑わいに惹かれ、生活の拠点にしたいと考える人は多いはずだ。今回、三井不動産レジデンシャルリースさんにご協力いただき取材した「ベルファース門前仲町」は、そんな門前町の賑わいから程近い、閑静な住宅街にあった。
門前町として栄える商店街から通りを入った閑静な住宅街に「ベルファース門前仲町」はあった。
伊能忠敬像。門前仲町にゆかりがあり富岡八幡宮の大鳥居横に構える。
たくさんの飲食店や商店で賑わう江東区の門前仲町。門前と聞くからには、どこぞの神社仏閣の参道として栄えた街であるはず。「門前仲町」で誰もが思いつく寺社といえば「富岡八幡宮」だ。おしい、50点!実は「門前仲町」は複雑な歴史を持つ。正解にたどり着くには少し日本史の勉強をしていただく必要がありそうだ。
富岡八幡宮でおみくじ。「中吉」うーん、控えめな感じでいいんじゃないですか?
さかのぼること400年、江戸初期の寛永元年「長盛法印」という仏僧がお告げを聞き、荒地だった永代島に「富岡八幡宮」を創建した。神仏が区別される現代では不思議な感覚だが、江戸時代、神仏習合(神道と仏教が合わさり一つの信仰となること)の文化により仏僧が神社を創建することは珍しくなく、「別当寺」と呼ばれる寺社が神社の運営管理を兼任する習慣があった。仏僧によって建てられてた「富岡八幡宮」も例に漏れず、「長盛法印」が建立した「永代寺」に管理されていた。程なく「富岡八幡宮」は、お祭大好きな江戸っ子気質に受け入れられ、江戸三大八幡のひとつに成長する。それに伴い別当寺である永代寺も力をつけ、現在の門前仲町のベースである「永代寺門前町」を築くことになる。
しかし、悲しいかな、永代寺の勢いは明治に入ると一変する。廃仏毀釈(日本土着信仰である神道を重んじ仏教を廃すること)の風潮から仏寺が迫害を受ける中、神仏分離の令により富岡八幡宮との関係を切り離さた永代寺は、歴史からいったん姿を消してしまう。困ったのは門前仲町である。突然、主(あるじ)を失った門前町は、生き延びるため、今度は富岡八幡宮を主として迎える。実にしたたかな町である。
永代寺。富岡八幡宮の別当寺として栄えたが、明治の廃仏毀釈により一度姿を消す。その後、吉祥院を経て再建。
これから門前仲町を説くなら「古くは永代寺、今は富岡八幡宮の門前町」が100点の回答である。
現在の門前仲町の賑わいを支える富岡八幡宮。その境内の大鳥居横に伊能忠敬の銅像がある。門前仲町は「大日本沿海輿地全図」を作った伊能忠敬ゆかりの地でもある。僕の放浪癖はせいぜい数年だったが、生涯を旅に費やし日本地図を完成させた伊能忠敬。彼もまた僕と同じように門前町の虜となりこの地に居を構えたのかもしれない。時代を超えてしたたかに賑わう門前仲町。デザイナーズマンション「ベルファース門前仲町」に住む魅力はそんなところにあるのかもしれない。
物件名称 | ベルファース門前仲町MAP | 所在地 | 東京都江東区福住1丁目12-4 |
---|---|---|---|
賃料 | --- 円 | 交通 | 東京メトロ東西線「門前仲町」駅徒歩5分 |
間取 | 1K | 専有面積 | --- |
構造/階建て | 鉄筋コンクリート造/地上12階 | 築年月 | 2017/03 |
総戸数 | 41戸 | 管理人 | |
駐輪場・バイク置き場 | 設備 | 、 | |
特徴 | 備考 | ||
特記事項 | 次回更新日 |
ああ、お城だ!
厳かな面持ちの「ベルファース門前仲町」が、なぜ、こんなにしっくり下町に調和するのか、その理由を探っていた。石造りの城壁に設けられた門扉を潜ると石廊につながる。なるほど、よく考えたものだ。
単身者にこれはうれしい。
日用品から電化製品まで、今や身の回りのものはなんでも通信販売で手に入る世の中だ。シングルだと困ったことに昼間の荷物の受け取りができない。ご心配無用、宅配ボックスがあなたに代わってお受け取り。
富岡八幡宮(800m/徒歩10分)
「深川八幡さん」の名で親しまれ、門前仲町のシンボルとして町を活気づけている。横浜市金沢区にある「富岡八幡宮」を本社とし、1624年(寛永4年)に建立。江戸時代には徳川家の保護を受け、庶民に愛された。祭礼は深川八幡祭と呼ばれ日本最大級の宮神輿はあまりにも有名。
門前仲町駅(300m/徒歩4分) 都営大江戸線・東京メトロ東西線の2沿線乗り入れ
首都高速福住インターチェンジ(550m)
魚三酒場(800m/徒歩10分) 門前仲町を代表する大衆居酒屋。夕時になれば庶民の味を求め長蛇の列ができることも。
清澄公園(400m/徒歩6分) 緑と水辺のある公園。隣には紀伊國屋文左衛門の屋敷跡に作られた清澄庭園
赤札堂深川店(350m/徒歩5分) スーパーで23時まで営業はうれしい
記事作成 2017/4/14 佐々木直樹
佐々木直樹
田舎の生まれですが、東京で暮らすようになって20年が過ぎました。先日、インターネットで「そばを打ちたくなったら、おじさんだ。」という記事を見つけて、なんともいえない焦燥感を覚えました。タワーレジデンスが大好物、鋭い視点で不動産を斬ります!
MAPAレポーターの紹介 〉