北の街の運河沿いに育った私は、運河には特別な思い出があった。
材木商だった叔父が、月に一度くらい大きな船に木材をけん引させて川を遡ることがある。その船によく乗せてもらった。私は舳先に陣取り、舟が走ると出来る引き波が面白くて、ずっとその様子を見ていた。その波が、なんだか運河の覇者になった気分にさせてくれたのだ。広く長い海の道に、自分の船だけが悠々と進んでいく。潮風を受け、とても気分が良かった。初夏になると独特な潮の香りに包まれる。その香りがじきに夏がやってくることを教えてくれたものだ。お祭り、結婚式、成人式など、子供の時は、何かイベントがあるたびに、運河の傍に居たような気がする。地元の人にとっては、運河が何よりの誇りだったからだ。
建物裏手には運河沿いに遊歩道が広がっている。
キャナルサイドデッキ 腰をおろすと、時を忘れる心地よさ。
Brillia辰巳 CANAL TERRACEは、その名もカナルテラスと名前が付けられている高級賃貸レジデンスで、2011年に建設された。総戸数は、232戸。外観が淡いブルーに見えるのは、各部屋のバルコニーを覆うパネルのせいだ。私にはそのブルーが印象的で、「巨大な青い建物」というイメージが、第一印象となった。
建物の周辺を一周してみる。建物の周辺は、様々な常緑植物の植栽で覆われており、実に緑豊かな環境が作られている。ところどころにベンチが設けられており、住人が本を片手にくつろいでいた。そのまま建物の敷地から遊歩道に繋がっており、景色を楽しみながら散策できるというわけだ。明るい建物の外観が、遊歩道と美しく調和していた。この物件をCanal(運河)テラスと呼ぶ由縁だ。
このほかにも、「スカイテラス(屋上)」、「パーソナルライブラリー」、「キャナルサイドデッキ」など屋内にある共有施設のほとんどが海沿いに集められていて、風景を楽しみながら暮らせる仕立てになっている。海を意識して、建物を造ろうとした設計者の強い意志を感じた。住む人は、もはや水辺の風景が生活の一部として溶け込んでいるに違いない。
運河沿いに展開する外構部。ロゴがリゾート風だ。
辰巳は、皇居の辰巳の方向(南東)にあるために名づけられた埋立地。江戸時代には、現在の門前仲町近辺の深川を、「辰巳」と呼んでいたという。その後、隅田川の改良工事に伴う大規模な埋め立てが行われ、断続的な工事の末、現在のような地形となった。周辺は海に囲まれているため、運河とともに発展してきた地域だ。
地下鉄有楽町線「辰巳駅」から物件までは徒歩11分。ゆっくり歩いてみたが、町全体が込み入っていないせいか、空が広く、陽の光が豊かに差し込み、とてものんびりしている。有楽町線「辰巳駅」の近辺には、海沿いに立地するファミリー向けマンションが建設されていた。若い家族が増えた結果、辰巳森海浜公園や東京辰巳国際水泳場のプールなどが相次いで建設され、地域の住人に親しまれている。食品や日用雑貨を求めるには、最寄りにイオン東雲店がある。小学校や中学校も多く、小さなお子さんのいるファミリーでも、実に快適に暮らせる場所だ。
緑の植栽を楽しみながら、運河沿いを散策出来るテラス。
キャナルサイドデッキに腰をおろして、しばし風景を眺めていた。ゆっくりと船が進んでくるのが見える。水面が輝いて、まぶしい。ここには、いつもとは明らかに違う、穏やかな時間が流れている。仕事に追われ、毎日を忙しく暮らしている都市生活者にとっては、こうした落ち着いた自分だけの時間が欠かせないと感じた。
水面には、大きな荷物を引いて進んでいる船がいた。大きな引き波がたっている。舳先に誰かいないだろうかと探したが、子供の姿はもちろん無い。私は、自分のかつての思い出と目の前の穏やかな風景を、潮風に吹かれながら、重ね合わせていた。
物件名称 | Brillia辰巳 CANAL TERRACEMAP | 所在地 | 東京都江東区辰巳1丁目6番10号 |
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賃料 | --- 円 | 交通 | 東京メトロ有楽町線「辰巳」駅徒歩11分 |
間取 | 2LDK | 専有面積 | --- |
構造/階建て | 鉄筋コンクリート造/地上15階 | 築年月 | 2011/10 |
総戸数 | 232戸 | 管理人 | |
駐輪場・バイク置き場 | 設備 | 、 | |
特徴 | 備考 | ||
特記事項 | 海外居住オーナー、喫煙不可、事務所利用不可、民泊不可、 | 次回更新日 |
建物の周辺は、とにかく緑でいっぱい。エントランスから、建物内部の廊下、外構部分は、殆どが豊かな緑で覆われている。運河沿いの遊歩道にも緑が溢れていた。しかも緑は良く手入れがされており、住人のプライバシーを守るのと同時に、癒しの空間を提供している。
ホテルのようなロビーホールは、シックな雰囲気で落ち着いた佇まい。共用施設は開放感のある運河沿いに集約されている。運河を眺めながらくつろげるテラスでピクニック気分のランチタイムも楽しめる。また、読書を楽しめるライブラリーコーナーも併設されている。運河の傍に住む人の快適さを求めた、ここならではの施設だ。
東京辰巳国際水泳場 (約1400m/徒歩18分)
メインプールでは、国際大会や日本選手権など世界規模の競技が多数開催されている。
大会等の無い日は「一般公開日」として時間無制限600円で利用できる。
地下鉄有楽町線「辰巳駅」(約880m/徒歩11分)
ファミリーマート辰巳一丁目店(約100m/徒歩2分)
辰巳森海浜公園(約800m/徒歩10分)親子連れで楽しめる遊具が豊富にある。
イオン東雲店(約1200m/徒歩15分)動物病院なども併設されている。
辰巳橋(約1000m/徒歩13分)全長127メートル。辰巳の北側では唯一東雲側とつながる橋。
記事作成 2017/6/20 岡田和彦